エクセルの「循環参照」は、数式が自分自身のセルを(直接または別のセルを経由して)参照している状態です。場所は「数式」タブ →「エラー チェック」の▼ →「循環参照」で確認でき、表示されたセルの数式を直せば解消します。
循環参照のセルは、計算できないため結果が「0」と表示されることが多く、エラーに気付きにくいのが厄介な点です。この記事では、場所の探し方、よくある原因、直し方、そして「反復計算」を使ってよい場合を説明します。
(確認環境:Microsoft 365 のエクセル(Windows・日本語版)。操作の結果は実際のエクセルで確認し、画面の表記はエクセル本体の文字列とMicrosoft公式のヘルプで確認しています。2026年10月)
循環参照とは
例えば、セルB1に =A1+B1 と入れると、B1を計算するためにB1自身の値が必要になり、計算が終わりません。これが循環参照です。
自分自身を直接参照していなくても、C1に =D1、D1に =C1*2 のように、別のセルを経由して元に戻ってくる場合も循環参照になります。
実際にエクセルで試すと、次のようになりました。
| 入れた数式 | セルの表示 |
|---|---|
B1:=A1+B1(A1は10) |
0 |
C1:=D1、D1:=C1*2 |
0 |
A1が10なので「10」以上になりそうですが、表示は0です。合計が合わない・急に0になったセルがある時は、循環参照を疑ってください。
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循環参照の場所を探す方法
「エラー チェック」から探す
- 循環参照の警告が出たブックを開きます
- 「数式」タブを開きます
- 「ワークシート分析」グループの「エラー チェック」の右の▼を押します
- 「循環参照」にマウスを合わせると、循環参照になっているセルの番地が表示されます
- 番地を押すと、そのセルに移動します
「循環参照」が選べない(灰色の)時は、開いているシートには循環参照がありません。別のシートを開いてから同じ操作をしてみてください。一覧には、循環参照があるシートの最初のセルが出ます。
画面の下(ステータス バー)で確認する
循環参照があるシートを開いていると、エクセルの画面の一番下(ステータス バー)の左側に「循環参照」とセルの番地が表示されます。1つ直すと、次の循環参照の番地に変わります。
参照の矢印で関係を見る
別のセルを経由する循環参照は、数式だけを見ても分かりにくいことがあります。セルを選んで「数式」タブの「参照元のトレース」を押すと、そのセルが使っているセルが矢印で表示され、どこで元に戻っているかを追えます。矢印は「トレース矢印の削除」で消せます。
よくある原因と直し方
| 原因 | 例 | 直し方 |
|---|---|---|
| 合計の範囲に、合計を出すセル自身が入っている | B10に =SUM(B1:B10) |
範囲を B1:B9 にする |
| 行や列を挿入・削除した時に範囲がずれた | 合計の行の上に行を足したら範囲が合計の行まで広がった | 数式の範囲を確認して直す |
| 累計を、同じセルに足し込もうとしている | B1に =B1+A1 |
累計用の列を別に作り、=前の行の累計+今回の値 にする |
| 2つのセルが互いを参照している | 税込みから税抜き、税抜きから税込みを両方とも計算している | どちらか一方を入力値にし、もう一方だけを数式にする |
特に多いのが、SUM関数の範囲に合計のセルを含めてしまうケースです。合計のセルを選んで数式バーを見ると、範囲が色付きの枠で表示されるので、枠に合計のセル自身が入っていないか確認してください。
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「反復計算」を使ってよい場合
エクセルには、循環参照をわざと許して、決まった回数だけ計算を繰り返す「反復計算」という設定があります。
- 「ファイル」→「オプション」→「数式」を開きます
- 「計算方法の設定」の「反復計算を行う」にチェックを入れます
- 必要に応じて「最大反復回数」と「変化の最大値」を変えます
初期値は、反復計算がオフ、最大反復回数が100、変化の最大値が0.001でした。
ただし、うっかり作ってしまった循環参照を消す目的で、反復計算をオンにするのはおすすめしません。先ほどの =A1+B1 で反復計算をオンにすると、エラーの警告は出なくなる代わりに、計算するたびにB1の値が増え続けました。間違った数字が、警告なしで表に残ることになります。
反復計算は、数値を少しずつ近づけて答えを出す計算(目標の値に収束させる計算など)を、意図して作る場合に使う機能です。また、この設定はブックを開いているエクセル全体に効くため、他のブックの循環参照の警告まで出なくなる点にも注意してください。
まとめ
- 循環参照は、数式が自分自身のセルを直接・間接に参照している状態。結果が0と表示されることが多い
- 場所は「数式」タブ →「エラー チェック」▼ →「循環参照」で探す。灰色なら別のシートを開く
- 原因で多いのは、SUMの範囲に合計のセル自身が入っていること
- 反復計算は、うっかりの循環参照を消すために使わない
循環参照以外のエラー(#NUM!・#VALUE! など)は、エクセルのエラー値一覧で原因と直し方をまとめています。数式を入れても計算されない時は、エクセルで自動計算ができない時の解決方法も確認してください。

