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電子取引データ(メールの請求書・ネットの領収書)の保存方法|個人事業主が今日からできる3つの要件の対応

メールで受け取った請求書のPDFや、ネット通販の領収書は、紙に出力するだけでは済まず、電子データのまま保存する必要があります。国税庁の案内では、申告所得税・法人税の帳簿書類を保存する義務がある人(個人事業主を含む)が、電子データでやり取りした注文書・契約書・領収書・見積書・請求書などは、令和6年(2024年)1月以降、決められた要件で保存しなければなりません。

難しく見えますが、国税庁が示すお金をかけずにできる方法があります。この記事では、何を保存するのか、3つの要件、ファイル名で検索できるようにする方法を、国税庁のパンフレットにもとづいてまとめます。

(確認元:国税庁パンフレット「電子帳簿保存法 電子取引データの保存方法をご確認ください【令和6年1月以降用】」令和5年7月版。確認日:2026年10月6日。制度は改正されることがあります。実際の対応は、最新の国税庁の案内を確認してください)

どんなデータを保存するのか

  • 紙でやり取りしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当するデータ
  • データでやり取りしたものだけが対象です。紙でやり取りしたものをデータ化する必要はありません
  • 受け取った場合だけでなく、送った場合も保存が必要です
  • 保存するファイル形式は問わず、PDFに変換したものやスクリーンショットでも構いません(国税庁)

国税庁の別のリーフレットには、具体例として「電子メールの本文・添付ファイルで請求書に相当する情報をやり取りした場合」と、「WEB上でおこなった備品などの購入に関する領収書に相当する情報が、サイト上でのみ表示される場合」が挙げられています。どちらも、その電子データを保存する必要があります。

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保存の要件は3つ

要件 国税庁の説明
改ざん防止のための措置 タイムスタンプを付ける、訂正・削除の履歴が残るシステムでやり取り・保存する、改ざん防止のための事務処理規程を定めて守る、のどれか
「日付・金額・取引先」で検索できる 専用のシステムがなくても、次の「簡単な検索の方法」で対応できる
ディスプレイ・プリンタ等の備付け 税務職員に指定されたデータを、速やかに画面や紙で出せるようにしておく

事務処理規程のひな形は、国税庁のホームページにサンプルが公開されています(国税庁のパンフレットに記載)。システムの費用をかけずに、改ざん防止の要件に対応できる方法です。

検索できるようにする簡単な方法

国税庁は、専用のシステムがなくても、次のどちらかで検索の要件に対応できるとしています。

1. 規則的なファイル名を付ける

ファイル名に「日付・金額・取引先」を決まった順番で入れ、1つのフォルダにまとめておく方法です。フォルダの検索機能で探せるようになります。国税庁のパンフレットの例は次のとおりです。

やり取りの内容 ファイル名の例(国税庁の例)
2024年3月31日、(株)霞商店からの110,000円の請求書 20240331_110000_(株)霞商店.pdf
2024年2月28日、国税工務店(株)との330,000円の領収書 20240228_330000_国税工務店(株).pdf

2. 表計算ソフトで索引簿を作る

エクセルなどで、次のような表(索引簿)を作る方法です。表計算ソフトの検索や絞り込みの機能で探せます。

連番 日付 金額 取引先 備考
1 20240331 110000 (株)霞商店 請求書
2 20240210 330000 国税工務店(株) 注文書

どちらの方法でも、取引のたびに日付・金額・取引先を入力する手間があります。会計ソフトや請求書の発行サービスを使うと、データの保存と検索をまとめて行えるものがあります。

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検索の要件がいらない場合

国税庁のパンフレットによると、次のどちらかに当てはまる場合は、範囲指定や2項目以上の組み合わせで検索できる機能までは求められません。

  • 基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下
  • 電子取引データをプリントアウトした書面を、日付と取引先ごとに整理した状態で、提示・提出できるようにしている

この場合でも、税務調査で電子取引データのダウンロードの求めがあった時に応じられる状態にしておく必要があります。なお、古い資料(令和3年の国税庁パンフレット)には、売上の基準が1,000万円と書かれたものがあります。数字は版によって違うため、必ず最新の国税庁の案内で確認してください。

対応が間に合わない時の「猶予措置」

国税庁は、令和6年1月以降の電子取引について、次の2つをどちらも満たす場合は、改ざん防止や検索の要件に対応していなくても、データをそのまま保存するだけでよいとしています。

  1. 要件に従った保存ができなかったことに、所轄の税務署長が認める相当の理由がある
  2. 税務調査の際に、データのダウンロードの求めと、データをプリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じられる

ただし、国税庁は、システムが整っていて原則のルールで保存できるのに、資金繰りや人手不足などの特別な事情もなく、ルールに従って保存していない場合は、相当の理由とは認められないと説明しています。猶予措置を前提にせず、できるだけ早く、上のいずれかの方法で対応するのが安全です。

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今日からできる3つのこと

  1. メールで受け取った請求書や領収書のPDFを、1つのフォルダに集めるようにする
  2. ファイル名を「日付_金額_取引先」の順に統一する(例:20261006_5500_〇〇商店.pdf)
  3. ネット通販の領収書が画面にしか出ない場合は、PDFで保存するかスクリーンショットを撮る

帳簿の付け方と、保存しなければならない期間は、個人事業主の帳簿のつけ方と保存期間|白色・青色の違いにまとめています。経費にできるものの判断は個人事業主の経費にできるもの・できないもの、青色申告で65万円の控除を受ける時の電子帳簿の条件は青色申告特別控除の条件を参考にしてください。

まとめ

  • 電子データでやり取りした請求書・領収書などは、令和6年1月以降、電子データのまま保存する必要がある(国税庁)
  • 要件は、改ざん防止の措置・「日付・金額・取引先」での検索・ディスプレイやプリンタの備付けの3つ
  • お金をかけずにできる方法は、事務処理規程と、規則的なファイル名(または索引簿)
  • 検索要件の免除や猶予措置には条件があるため、最新の国税庁の案内で確認する