個人事業税は、地方税法で決められた70の業種(法定業種)の事業を営み、事業の所得が年290万円(事業主控除)を超えた個人にかかる、都道府県の税金です。所得税・住民税の申告をしていれば、個人事業税の申告は原則として別に必要ありません。納期は、東京都の場合、年2回(8月31日と11月30日)です。
確定申告で所得税を計算していても、個人事業税は別の計算で、所得税の申告のあとに、都道府県から納税通知書が届きます。この記事では、東京都主税局の案内にもとづいて、かかる人、税額の計算、所得税と違う点をまとめます。
(確認元:東京都主税局「個人事業税」のページ。確認日:2026年10月6日。他の道府県の取り扱いは、各都道府県の案内で確認してください。税率や納期は改正されることがあります)
個人事業税がかかる人
東京都主税局の案内では、個人が営む事業のうち地方税法などで定められた「法定業種」にかかる税金で、法定業種は70あり、ほとんどの事業が該当すると説明されています。納める人は「都内に事務所や事業所を設けて、法定業種の事業を行っている個人」です。税がかかるのは、次の2つがどちらも当てはまる場合です。
- 地方税法などで決められた70の業種にあたる事業を行っている(法定業種以外は課税されません)
- 年間の事業の所得が、事業主控除の290万円を超えている
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3つの区分と税率
| 区分 | 業種の例(東京都の案内) | 税率 |
|---|---|---|
| 第1種事業(37業種) | 物品販売業、運送業、飲食店業、製造業など | 5% |
| 第2種事業(3業種) | 畜産業、水産業、薪炭製造業 | 4% |
| 第3種事業(30業種) | 医業、歯科医業、弁護士業、税理士業、行政書士業、理容業、美容業、デザイン業、コンサルタント業など | 5%(あんま・マッサージなどは3%) |
東京都の一覧には、このほか不動産貸付業・駐車場業・広告業・請負業・出版業・写真業なども第1種として載っています。自分の仕事がどの業種にあたるかは、仕事の内容で決まります。判断に迷ったら、事務所のある都道府県の税事務所(東京都なら都税事務所)に確認してください。
税額の計算
東京都主税局の案内には、税額の求め方が次の式で示されています。
(事業所得または不動産所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 - 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 - 各種控除額)× 税率 = 税額
「各種控除額」には、年間290万円の事業主控除が含まれます。営業の期間が1年に満たない場合は、月割りの額になります(東京都の案内では、1か月分が24.2万円、12か月で290万円)。
所得税の計算との違い
| 項目 | 個人事業税(東京都の案内) |
|---|---|
| 青色申告特別控除 | 適用しない(所得金額に加算する) |
| 事業専従者給与 | 所得税の控除額と、個人事業税の控除額が違う(青色と白色で控除額も違う) |
| 損失の繰越 | 繰越控除が3年間認められる |
特に注意したいのは、所得税で65万円の青色申告特別控除を受けても、個人事業税の計算には使えない点です。東京都の案内では「個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します」と書かれています。
仮の数字で考えます(計算例であり、実際の税額ではありません)。第1種事業で、青色申告決算書の所得金額が250万円、青色申告特別控除が65万円の場合、
- 250万円 + 65万円 = 315万円
- 315万円 - 事業主控除290万円 = 25万円
- 25万円 × 5% = 1万2,500円
となります(事業専従者給与や繰越控除がない場合)。「所得税の所得は290万円以下なのに、個人事業税の通知が届いた」というのは、この違いが原因のことがあります。青色申告特別控除の条件は青色申告特別控除の条件、家族への給与の扱いは青色事業専従者給与と事業専従者控除の違いにまとめています。
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申告は必要か
- 確定申告書や住民税の申告書には、「事業税に関する事項」の欄に必要事項を記入します(東京都の案内)
- 事業を年の途中でやめた場合は、別に申告が必要です(東京都の案内)
- 個人で事業を営む人は、毎年3月15日までに前年の所得などを都税事務所などへ申告することになっています。ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした人は、個人事業税の申告は必要ありません(東京都の案内)
確定申告の期限と提出の方法は確定申告の期間・期限と提出・納付の方法で説明しています。
納める時期
東京都の案内では、原則として年2回、第1期は8月31日、第2期は11月30日(休日の場合はその翌日)が納期限です。8月に都税事務所から送られる納税通知書にもとづいて納めます。所得税の修正申告をした場合や、事業をやめた場合などは、別の納期限が通知書に書かれます。
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経費との関係
国税庁のタックスアンサー No.2210(必要経費の知識)には、「事業税は全額必要経費になります」とあります。必要経費に入れる時期の基準は、その年において債務の確定した金額です(その年の12月31日までに、債務が成立している・給付をすべき原因となる事実が発生している・金額が合理的に算定できる、の3つを満たす場合)。
つまり、納めた日ではなく、金額が確定した年かどうかで考えます。個人事業税をどの年の経費に入れるかの具体的な扱いは、この記事では確認できていません。申告の前に、税務署や税理士に確認してください。ほかの費用の判断は個人事業主の経費にできるもの・できないものが参考になります。
事業を始めたばかりの人は
事業を始めた時の届出は、開業届の出し方、青色申告を選ぶなら青色申告承認申請書の出し方と期限にまとめています。事業の所得が290万円以下の間は個人事業税がかからなくても、申告(確定申告または住民税の申告)は毎年行うことが、控除を受ける前提とされています(東京都の案内:繰越控除を受けるには、所得税・住民税・事業税のいずれかの申告を毎年一定の期限内に行っていることが必要)。
まとめ
- 個人事業税は、法定の70業種を営み、年290万円(事業主控除)を超える所得がある個人にかかる
- 税率は業種で違う(東京都の案内:第1種5%・第2種4%・第3種は5%、一部3%)
- 所得税の青色申告特別控除は、個人事業税の計算では使えない
- 確定申告をしていれば、個人事業税の申告は原則不要。納期は8月31日と11月30日(東京都)

