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個人事業主の帳簿のつけ方と保存期間|白色・青色の違いと保存しない場合のリスク

個人事業主は、事業所得・不動産所得・山林所得がある場合、白色申告でも帳簿をつける義務があり、帳簿は原則7年間、請求書・領収書などの書類は5年間保存する必要があります。帳簿のつけ方は、1つ1つの取引ではなく、日々の合計金額をまとめて書くような簡易な方法でもよいと、国税庁は説明しています。

この記事では、国税庁の公式ページ(タックスアンサー No.2080・No.2070)にもとづいて、帳簿に何を書くか、何を何年保存するか、保存しなかった場合のペナルティの重さを整理します。

(確認元:国税庁 タックスアンサー No.2080「帳簿書類等の保存」・No.2070「青色申告制度」(令和8年4月1日現在法令等)。2026年10月2日に確認しました。制度は変わることがあるため、最新の内容は国税庁のページで確認してください)

帳簿をつける必要があるのは誰か

国税庁のNo.2080によると、記帳が必要なのは不動産所得・事業所得・山林所得のある方です。青色申告者だけでなく、白色申告者にも記帳制度と記録保存制度があります。

また、業務に係る雑所得がある場合でも、その年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方は、現金預金取引等関係書類(請求書・領収書など、現金や預貯金の出し入れの際に作ったり受け取ったりした書類)を保存する必要があります。さらに、前々年分の雑所得の収入金額が1,000万円を超える方が確定申告書を出す時は、収入や経費の内容を書いた書類(収支内訳書など)の添付が必要です。

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帳簿に書く内容

国税庁は、記帳する事項を次のように示しています。

  • 売上げなどの収入金額
  • 仕入れや経費に関する事項
  • 取引の年月日、売上先・仕入先などの相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額など

ただし、一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額のみをまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいとされています。記帳は、所得金額が正確に計算できるように、整然と、はっきり書く必要があります。

白色申告と青色申告での違い

白色申告 青色申告
記帳の水準 上記の記帳制度に沿った簡易な記帳 年末に貸借対照表と損益計算書を作れる正規の簿記(一般的には複式簿記)が原則
簡易な記帳 — 現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳などを備えて記帳するだけでもよい(この場合の特別控除は最高10万円)
特別控除 なし 最高65万円・55万円・10万円(条件による)

青色申告の特別控除の条件は、青色申告承認申請書の出し方と期限にまとめています。

何を何年保存するか

保存が必要なもの 保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成・受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

保存場所は、住所地や事業所などの所在地に整理して保存します。青色申告者については、帳簿や書類は原則7年間の保存とされていますが、書類によっては5年でよいものもあり(例:請求書、見積書、納品書、送り状)、国税庁のNo.2070にも同じ趣旨が書かれています。

一定の要件のもとで、パソコンで作成する帳簿や書類を、電子データの保存に代えることもできると国税庁は説明しています。

保存しなかった場合

国税庁のNo.2080には、令和5年分の確定申告に対する修正申告等から、売上げに関する帳簿を保存していなかったことや、帳簿の売上げの記載が不十分だったことなどが税務調査で把握された場合、申告漏れに対して通常課される加算税(過少申告加算税・無申告加算税)の割合に、5パーセントまたは10パーセントが加重されることになった、と書かれています。詳しい適用の条件は、国税庁の「帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」で確認してください。

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帳簿のつけ方を選ぶ

方法 向く人 注意点
手書きの帳簿 取引が少ない、ほとんどが現金 集計や書き直しを自分で行う。控除額の大きい青色申告(複式簿記)には手間がかかる
表計算ソフト(Excelなど) 自分で集計の仕組みを作れる 複式簿記の形にするには、仕訳や集計の仕組みを自分で作る必要がある
会計ソフト 取引が多い、口座やカードの明細が多い、青色申告の控除を使いたい 月額・年額の費用がかかる。無料の試用期間があれば、使ってから決める

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」でも申告書を作れますが、日々の帳簿づけは別に必要です。どの方法でも、日々の取引を、証拠の書類と一緒に残すことが基本です。

日々の運用のコツ

  1. 領収書・請求書は、受け取った日に1か所にまとめる:5年間の保存が必要です
  2. 月に1回、帳簿に入力する:年末にまとめて入れると、思い出せない取引が増えます
  3. 仕事用と私用の口座・カードを分ける:仕事と生活の区別がつけやすくなります(経費の区分は個人事業主の経費にできるもの・できないもの)
  4. 保存期間の古い書類は、期限が過ぎてから処分する:いつ処分できるかを、書類の箱に書いておく

まとめ

  • 事業所得・不動産所得・山林所得がある人は、白色申告でも記帳と保存が必要
  • 記帳は日々の合計金額をまとめて書く簡易な方法でもよい。青色申告は正規の簿記(複式簿記)が原則
  • 帳簿(法定帳簿)は7年、請求書・領収書などの書類は5年保存する。電子データで保存することもできる
  • 売上げの帳簿を保存していなかったなどの場合は、加算税が5%または10%加重されることがある